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2014年1月25日付けコンパス紙社説「日本と中国に求められる自制(Jepang dan China Perlu Tahan Diri)」の翻訳です。安倍首相のダボス会議での発言を念頭に、今後の日中関係のあり方を論じています。

日本と中国に求められる自制
コンパス(2014年1月25日)

日本の安倍信三首相は1月22日水曜日、日中両国が過去にイギリスとドイツが犯した過ちを繰り返さない事を望むとした。

スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、安倍首相は、現在の日中関係は第1次世界大戦を目前にした1914年のイギリスとドイツの関係に似た状況にあると語った。英独両国は経済的には相互に依存していたが、同時に対立もしており、第1次世界大戦(1914-1918)のきっかけとなった。

これは日中両国が直ちに開戦するという意味ではない。安倍首相の指摘は、仮に中国が今後も国防費の増加を続ければ、地域不安定化の主要因になるという点に尽きる。日本の菅義偉官房長官によれば、安倍首相は東アジア地域の法規制強化と対話の重要性を強調したものであるという。その上で、アジア地域における平和と繁栄の実現を求めるならば、軍事的脅威は全く必要とされるものではないとした。

こうした日中関係が当時の英独関係に類似しているとの指摘は、単に今年2014年が第1次世界大戦の勃発から100周年に当たるために過ぎない。

日本と中国は現在、経済的には相互に依存するが、同時に主に東シナ海において対立を深めている。これは中国が軍事力増強を続けていると日本が見なしているためだ。一方で、中国は、日本に過去同様の軍国主義的姿勢が見られるのではないかとの疑念を持つ。これは昨年12月に安倍首相が行った日本の軍事侵攻の象徴とされる靖国神社への参拝に示されている。

この意味において、日本と中国には、対立がエスカレートし制御不能に陥らないためにも、お互いに自制を求めたい。両国は前向きな姿勢を示す必要がある。例えば、日本は靖国神社の参拝など、中国や韓国の反発を招く行為を行なわない。逆に中国も、日本の反発を招く軍事力の増強や力の誇示をしないといった点だ。

私たちは日中の軍事衝突の可能性について問われた際の安倍首相の回答を歓迎したい。衝突が現実のものとなれば、大きな損失を生むだけであり、影響は日中両国だけではなく、全世界に及ぶだろうと同首相は話す。結果として生じる損失の大きさに気付いているならば、日本には自制以外の選択肢は残されていないはずだ。そして、私たちは中国にも同様の姿勢を示すことを望みたい。

Kompas, Sabtu, 25 Januari 2014
Tajuk Rencana: Jepang dan China Perlu Tahan Diri

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