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2014年4月21日付けコンパス紙社説の翻訳です。4月16日に発生した韓国旅客船セウォル号沈没事故を論じています。ここ半年で掲載された同紙社説(日本・東アジア関連)を訳していますので、関心がある方は下記の【関連記事】を参照して下さい(コンパス紙に関する若干の説明もあります)。

【関連記事】

社説:韓国フェリー事故、悲劇と皮肉
コンパス紙(2014年4月21日)

先週 発生した韓国フェリー沈没事故は悲劇のみならず、成長を続ける同国にとっての皮肉となった。

ひとつの悲劇として、462人の乗客を乗せた「セウォル」号の沈没は韓国内に激震をもたらした。うち325人の乗客が修学旅行中の高校生であった事が、事態をさらに大きなものにした。

この悲劇で家族を失った遺族の悲しみは想像に余りある。これまでにおよそ32人の死亡が発表され、270人は今も行方不明となっている。4月16日水曜日に発生した「セウォル」号の沈没は多くの人名を奪い、少なからぬ経済的損失をもたらす悲劇となった。

しかし、別の面から見ると、この悲劇は新たな産業国家を目指す韓国にとっての皮肉となった。この種の事故は避けられない悲劇として、どの場所でも起こり得るという点を踏まえる必要はあるが、この海難事故が韓国の弱さの証明と見ることもできるためだ。

もちろん「セウォル」号の事故に注目が集まる背景には、先月3月8日にマレーシアのクアラ・ルンプールから中国の北京へ向かう途中で失踪したマレーシア航空370便の捜索結果を世界が今も求めている事がある。この239人の乗客と乗務員を乗せたボーイング777型機の事故現場は現在に至るまで特定されていない。

マレーシア航空機MH370便および「セウォル」号の事故原因に関して、明確な説明は今もなされていない。しかし、事故は一般的にみて、技術上の誤りや人間の不注意がその原因となり得る。技術上のミスを原因とした事故はこれまで数多く発生してきた。科学技術に対する低い認識が同時に事故の危険性を生じさせている。

逆に言えば、科学技術を使いこなす者は事故を制御することができるだろう。ただし、どれほど最先端の技術であっても、不注意な人間の手に渡れば、事故の危険から逃れることはできない。ましてや、不注意や過ちは人間の宿命のひとつであり、過ちは人の常(Errare humanum est)である。

こうした弱さをひとつの宿命として認識することで、世界中の多くの人々がやむことなく、規律を守り、精度を高め、正確さを保ち、注意力を育むために絶えず教育を推し進めている。科学技術の発展は特に、人間の弱さを克服するという目的を持つためだ。

しかし、科学技術の発展が目覚ましいものであったとしても、人的要因は今後も最も重要なものとされるだろう。ましてや、すべての科学技術には不具合が生じる可能性がある。人間が自ら生み出した技術を規律と責任を伴った上でどのように使いこなすかが、常に問われている。

Kompas, Senin, 21 April 2014
Petaka Feri Korsel, Tragedi dan Ironi

【管理人コメント】
この海難事故をまとめたスレッドは、インドネシアのネット掲示板でも注目を集めていました。

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