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2014年4月5日付コンパス紙社説の翻訳です。これ以外にも、ここ半年で掲載された同紙社説(日本・東アジア関連)を訳していますので、関心がある方は下記の【関連記事】を参照して下さい(コンパス紙に関する若干の説明もあります)。

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インドネシア「コンパス」紙社説 日本語訳まとめ

社説:新疆ウイグル、中国政府の長年の懸案
コンパス(2014年3月5日)

中国雲南省昆明市で発生した男女数名による襲撃事件は中国政府に警鐘を鳴らした。これまでの報道によると、この襲撃事件では少なくとも29人が死亡し、143人が負傷したと伝えられている。中国国営メディアはこの事件を直ちに、中国西部に位置する新疆ウイグル自治区の分離主義勢力による犯行と断定した。同自治区はパキスタン、タジキスタン、キルギスタン、カザフスタン、アフガニスタンなど8カ国と国境を接している。

中国政府によれば、ウイグル分離主義勢力の襲撃事件は今回が初めてではない。同勢力は昨年10月にも中国、紫禁城入り口前で自動車の爆発による自爆テロを引き起こしているという。

彼らはなぜ新疆ウイグル自治区以外の場所で、最終的に中国南西部の昆明市で行動を起こしたのだろうか。政治的な理由は明白だろう。すなわち、彼らは同自治区内での行動よりもより強く広範な影響を求めたのだ。

新疆ウイグル自治区は中国政府にとって長きにわたる懸案となっている。複数の鉱物資源と中国最大の石油および天然ガスを算出する同地域では、先住民族のウイグル族と移住してきた漢族との間に長きにわたる民族対立が存在する。ウイグル族と漢族の他にも、カザフ族、回族、タジク族、キルギス族などの他の民族が存在する。

新疆ウイグル自治区ではウイグル族の人口が最多(2011年の統計では人口2千2百9万人のうち47パーセントを占める一方で、漢族は40.6パーセント)とであるが、彼らは政治、経済、宗教上の儀式など多くの点でないがしろにされているとの思いを抱く。同自治区は経済的にも物理的に急速な発展を遂げ、西洋諸国への玄関口となっているが、ウイグル族はその恩恵を全く感じてはいない。発展する経済とは裏腹に、彼らは疎外感を抱き、民族および宗教的にも貶められていると感じている。

だが、中国政府は、この開発は多数の学校の建設により、同自治区を文化的にも経済的にも発展させたとの見解を示す。新疆ウイグル自治区の区都ウルムチは、増え続ける漢民族を含めた移住者たちを惹きつける新興都市(boom towns) およびチャンスを与える場(land of opportunity)となっている。

こうした主導権を奪い合うウイグル族と漢族の対立が、ウイグルによるより大規模な自治要求運動の引き金を引くばかりか、中国からの分離独立要求を招いている。民族的に見れば、両者の間には文化的相違があるからだ。

昆明での事件は、新疆ウイグル自治区およびウイグル族に対する取組を変更すべきという中国政府にとっての警鐘となってしかるべきだろう。中国政府が文化的人道的側面を忘れ、新疆ウイグル自治区へ大量の資金を流入させるだけでは不十分である。

Kompas, Rabu, 5 Maret 2014
Tajuk Rencana: Xinjiang, Masalah Lama Beijing

【管理人コメント】
今回紹介した社説と、同日にコンパス紙に掲載されたコラム「中国における周縁化(Marjinalisasi di Tiongkok)」という2つの記事に対して、中国大使館から3月13日付けで「テロリズムと分離主義は共通の敵(Terorisme dan Separatisme adalah Musuh Bersama)」という反論が寄せられています。

この一連のやり取りも紹介したかったのですが、コラムの翻訳に手こずり、途中から放置したまま現在に至っています(中国大使館の反論はものすごく読みやすかったです)。主な原因は管理人の知識不足...ただただ無念であります。

↓原文はこんな感じです(例えば、赤枠など)↓
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という訳でして(?)、どなたか中国の少数民族問題は任せておけ、インドネシア語の翻訳も手伝ってやるという奇特な方がいらっしゃましたら、コメント欄、もしくは下記の宛先までご連絡いただけると嬉しいです。非常に虫のいいお願いで大変恐縮ですが、よろしくお願いしたします。<(_ _)>

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