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インドネシアのネット掲示板で「中国人、華人、白人、プリブミ…ゴメン、人種差別をするつもりじゃないんだ」というスレッドを見つけたのご紹介します。

中国人、華人系インドネシア人、白人、プリブミ...

スレ主:このエピソードをみんなに紹介したいだけなんだ。人種差別をするつもりはないよ。

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僕は昔、華人系インドネシア人(以下、チナ)を心底憎んでいたプリブミ(この場合はマレー系インドネシア人の意味)だった。でも、アメリカで十年暮らし、ニューヨークに本部を置く世界的な大銀行のひとつで働く中で、僕のチナに対する認識は変化し、チナとプリブミはどのように違うのかという点について理解できるようになった。

実際、僕らがチナに関してきちんと理解していないことはたくさんあるし、それらはもっと知るべきことだと思う。というのも、そうした点はインドネシアにとっての重要なものだし、インドネシアが進歩していくための指針となり得るからだ。僕が言いたいのは、チナのようにならなければならないという事ではなく、彼らが素晴らしいものを持っているのであれば、否定する理由なんてないでしょ、ということ。もちろん彼らにだって悪い部分はあるけど、悪い部分を持たない民族などこの世に存在しない。

この点に関して、僕らの間で異なる部分というのは明らかに存在している。白人と上海出身の中国人と3年以上にわたって仕事をし、親しく付き合う中で、僕は本当にたくさんの違いを見てきた。以下にその違いをまとめてみよう。

A.お金
a) 白人:給料日になるとバーへ直行し、酔っぱらうまで飲みまくる。新しい服を買ったり、妻のために様々なプレゼントを購入する。そして、残った10パーセントを銀行に貯金する。高級レストランで大人数で食事をすることも多く、給料日となればなおさら。

b) 中国人:給料日になるとそのまま銀行に貯金する。時には、銀行でさらに投資に回したり、株を買ったり、利子をつけて貸すこともある。服にはあまり気を使わず、着古すまで使い込む。彼に聞いたところ、銀行へ貯金する額は給料の75~85%にのぼるという。

c) 自分:給料日になるとみんなで少しは食事に出かけるということもある。ましてや、給料をもらった直後などは、セールの服を買ったり、妻の必要なものを買ったりもする。残りの15~20パーセントは銀行に貯金する。

※アメリカでは一般に、企業に勤める中国人(そして、韓国人や日本人も)若いうちから良い自動車に乗り、豪華な家を購入し始める。彼らの親が金持ちだったり、チャイナタウンのマフィアという訳ではない。彼らは何かを買う時はローンではなく、現金で購入することを好む。これは彼らがきちんとお金を貯めているからだ。白人や黒人の場合は、何年もローンを組んでようやく家を購入する。

働き方
a) 白人:仕事が終わると(普通は朝の8時から夜の6時まで)月曜日から金曜日(土曜日曜は休日)はバーに行ったり、みんなと食事したりで給料を使い果たす。突然残業を求められた場合、大抵はぶつくさ言いながら仕事をする。白人の場合、月曜日は基本的に浮かない顔をしている。というのも、土曜日までまだ何日もあり、頭の中は週末の予定で一杯になってるから。木曜日になると、彼らは仕事に身が入らなくなる。金曜日の事で頭が一杯だから。

b) 中国人:仕事を終えると、すぐに帰宅。自分で食事を作り、外食はしない(僕は彼を何度も食事に誘ったけど、高いから行きたくないんだという返答をもらうばかりで、特別な日をのぞいて、お金は貯めておかなきゃいけないとのことだった)。残業を命じられても決して嫌な顔はしない。それどころか、自分から残業を申し出ることもしばしば。時には、貯蓄を増やすために他の企業でアルバイトをすることもあった。

c) 自分:残業を命じられると、同僚たちと食事の約束があった時などは、めんどくさいなと思う時もある。望もうと望むまいと残業しなきゃいけない事は分かっている。でも、ずっと職場にいると、時には早く家に帰りたい衝動に駆られることだってある(無理やりやらされているって感じなので、喜んで残業をする中国人とは違う)。週末出勤は一番めんどくさい。

自宅
a) 白人のアパート:非常に素晴らしく、モダン。高価な家庭用品や家具が並んでいる。そうした家で暮らせばきっと給料もなくなってしまうだろう。

b) 中国人のアパート:...これはヒドイ。ベッドがひとつ、後は床って感じ。机は古ぼけ、2つの椅子もボロボロ。テレビはものすごく小さい。ケーブルテレビもない。要するに、非常に質素な生活をしている。暮らしている地域も高級住宅街ではなく、なんだかごみごみした場所にあり、正直あまり住みたいとは思わない。この中国人の友人いわく、「まず苦しみ抜いて後で思う存分楽しむ」とのことだった。

c) 自分のアパート:妻が色々と自宅を飾るのが好きなだけで、そこそこって感じだと思う。中国人の友人のアパートのようにはならない。彼があんな部屋で暮らせるのは本当にスゴイと思う。銀行の給料はかなりの額だし、彼は僕よりもたくさんの給料をもらっているというのに。

10年後、白人や黒人はまだアパートに暮らしていたり、ローンでようやく自宅を購入しているが、中国人はすでに自分の家を持っていた。彼らはきちんとお金を貯め、必要最小限なものしか買わないからので、お金はひとりでにたまっていく。

これは明らかな違いと言えるだろう。始めのうちは中国人は何てケチなんだ、そんなに銀行に金をため込んでどうするのって思っていた。そんなにたくさんのお金を銀行に預けるだけで何がしたいのだろうか、と。でも、ここで中国人たちの歴史を振り返ってみれば、なぜ彼らは長期的な視点で見れば、インドネシアのプリブミよりも進歩してきたかが分かるだろう。僕はこれまでに中国人以外にも、インド人、アラブ人、ドイツ人、アメリカ人などとも意見を交換してきた。僕らはこの中国人の歩んできた歴史を知らなくてはいけないと思う。

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インドネシアでも、まだジャカルタに住んでいた頃、僕は上記のような違いを目にしたことがある。僕には昔、ジャカルタのスネンで生地屋を営む華人の友達がいた。その隣には同じように生地屋を営むメッカからの巡礼帰りのおじさんがいた。それから2年後、華人のビジネスはますます成功していたが、隣りにあったおじさんの生地屋は結局は潰れてしまった。これは華人がおじさんに対して卑怯な手段を使った訳ではない。華人が自分のビジネスを発展させるために、稼いだお金をきちんと銀行に貯めていたからだ。その華人夫妻は質素な食事を常としていたけど、おじさんの方は少しでも利益がでると、自分の家族に見栄を張るために、レストランで大盤振る舞いをしていた。

これはおじさんが間違っていた訳じゃないって?別に華人の方がより長期的な視野を持って倹約に励んでいた訳じゃないって?僕が思うに、これこそがその華を見習うべき点だろう。僕らは彼のように爪に火をともすような生活をすることはないけど、意味のない見栄を張る必要もないはずだ。僕はこれまでに数多くの国の人々と会ってきたけど、ひとつだけ確信を持って言えることがある。見栄を理由に行動しない人は、彼らの出身の国がたいていは発展していたという事だ。

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国際的な視点で見れば、インドネシア国民は東南アジアのナチス・ドイツとして知られてしまっている。第2次世界大戦時、先の大戦で敗北したドイツは貧困にあえいでいた。国民の怒りをそらすため、ヒトラーは狡猾にも意図的にユダヤ人を敵視した。彼らは当時、豊かでドイツの経済を支配していた。結果として、ユダヤ人は虐殺され、ドイツ国民として扱われることはなかった。彼らはインドネシアの華人と同様、自らの文化をしっかりと保ち続けていたが、すでに長きにわたりドイツで暮らし、ドイツ国民としての意識を共有していたにもかかわらず、だ。

インドネシアの奇妙な点は、プリブミが憎むのは華人であって、オランダ人や日本人ではないという点だ。でも、よくよく考えてみれば、華人が何か過ちを犯したわけではない。僕はひとりのプリブミとして、この点に初めて気が付いた。オランダは350年もの間、インドネシア民族を苦しめ、豊かな資源を根こそぎ奪っていった。そして、彼らが去った後には、最も危険かつ人々の血肉にしみ込んだ病魔が残された。そう、汚職だ。独立から65年が経った現在でも、この病魔はインドネシアに広く巣食い、国民の精神をむしばんでいる。

日本はわずか3年半の支配だったが、他の民族よりもインドネシア民族を苦しめた。その後日本は、敗戦を理由に戦争ができなくなったため、望もうと望むまいと、経済的に世界を支配しなければならなかった。僕たちプリブミが奇妙なのは、オランダや日本ではなく、逆に華人を憎んでいるという点だ。面白い話だと思う。他の国々(韓国、中国、ビルマ、ベトナム、アフリカ)では過去の植民地支配を憎んでいるが、ともに長年にわたって共生してきた同じ自国民(すなわち、インドネシアで言えば華人)を憎んでいる訳ではないからだ。

一体華人たちが何の罪を犯したというのだろうか。なぜ彼らはビジネスにおいて強欲で、野蛮でがめついと見られるのだろうか。その理由は何なのだろうか。それは彼がインドネシアに暮らす間、常に外国人と見なされ、差別されてきたからだ。みんなが華人になったとしたら、間違いなく自らの身を守りたいと思うはずだ。一体誰が、その日の食事に事欠いたり、そのまま死にたいと思うだろうか。だからこそ、彼らは上手に、やや巧妙に、わずかなチャンスをものにし、最終的にインドネシアの経済を握ったのだ。でも、彼らは懸命に、そう、僕らプリブミよりもはるかに一生懸命に努力してきた。これはインドネシアだけの話じゃない。中国人は世界中のどこであっても懸命に働き、成功を掴んでいる。

彼らチナは運命に自らを委ねはしない。常に自らの生活水準を向上させようとしている。僕たちプリブミは自分の成功に満足し、自らが上にあれば、それ以上を目指そうとはしない。しかし、チナたちにはそのようには考えない。どれほどの高みにいようとも、必ずそれ以上を目指そうとする。僕たちが馬鹿げているのは、政府の訳の分からない言説を真に受け、チナ達をスケープゴートにしている事だ。政府は自らの腐敗が国民に知られることを恐れている。だからこそ、政府はチナを隠れ蓑にし、スケープゴートとしているのだ。

(スレ主)この文章は現在アメリカに暮らす友人が書いたものだ。まずは考えてみてほしい。これ以上、同じインドネシア国民の間で対立する必要があるのだろうか、と。インドネシアはすでに疲弊している。だからこそ、我々はひとつになり、強くならなければならないではないか。同じ国民であるはずの俺たちが争っている場合ではないだろう。そうしたインドネシア国民の弱さを利用するテロリストも存在するはずだ。なぜお互いに殺し続けなければならないのか。なぜお互いに誹謗中傷を重ねるのか。その目をしっかりと開いて見てほしい。一体誰が正しく、誰が間違っているのか。もう一度考えてくれないだろうか。 

インドネシア人の反応
↓↓↓↓↓↓

  • 本当にその通りだな。懸命に努力した者だけが成功を掴めるということなのだろう。
     
  • 俺にも華人の友人がいるぜ…
     
  • 多様性の中の統一。オバマだってインドネシア人じゃないのに、この原則をものすごく尊重している。これを単なる掛け声で終わらせないためにも、俺たちインドネシア人ひとりひとりが自身の行動の根本に反映させていくべきだろう。
     
  • このスレを読んで、俺も恥ずかしくなった。貴重な意見をありがとう。お礼にスレを上げておくね。
     
  • 俺たちは同じインドネシア国籍を持ったインドネシア人なんだ。華人もバタック人もプリブミも関係ないよ。俺たちはみんなインドネシア人だよ。
     
  • 何で今の時代に人種、宗教、民族なんかで人を区別しようとするのか謎でしょうがない。
     
  • これは人種の問題じゃなくて、ひとりひとりのメンタルの問題だろうね。プリブミ同士、チナ同士で悪口を言い合うことだってあるんだから…
     
  • 俺はプリブミだけど、通ってる大学はほぼ全員が華人なんだ。最初は俺にも人種的な偏見はあったし、プリブミの友人らと集まった時なんかは華人連中の悪口を言うのが日常茶飯事だったけど、今ではそんな偏見はなくなってしまった。というのも、華人たちは実際に付き合ってみれば、みんないい奴ばかりだったからだ。
     
  • スレ主の言うとおりだな。俺にも家人の友人がいるけど、確かに無駄遣いをしないで堅実な生活をしているな。お金が入ったら見栄を張ってバカ騒ぎに使ってしまう俺とは大違いだ(笑)。
     
  • 人種的偏見を持つ連中にはこのスレッドを読んで、華人のことを知ってもらいたい。
     
  • インドネシアからレイシズムが消えることを願っている。
     
  • このスレの内容は一握りの華人や中国人の話だと思うよ。俺にもたくさんの華人に友人がいるけど、全員が全員、倹約に励み、一生懸命働いている訳じゃない。でも、俺たちは同じインドネシア人だし、そこには何の違いもない。誰しもが長所と短所を持っているのだから。
     
  • スレ主の言うとおりだな。人種を理由に誰かをスケープゴートに仕立て上げるのではなく、お互いに助け合いながら祖国を盛り立てていく方がずっと良いと思う。素晴らしいスレッドだった。
     
  • 非常に説得力があった。俺たちは自分たちが今までやってきたことを考え直す時期に来ているのだろう。
     
  • もちろん華人たちには何の罪もないし、良い人たちだと思うし、プリブミと華人はお互いに支え合っていけるはず。でも、ちょっと奇妙なのは、華人の多くはプリブミに対して閉鎖的なんじゃないかと感じられることかな。理由はよく分からないけど、うちの近所に住んでる華人はめったに外で見かけないしね。彼らの姿を見るのは1人2人が食べ物を買いに出てる時くらいなんだよな。まあ、いずれにしても、華人の経済観念は本当にスゴイと思うよ。
     
  • 俺たちは人種ではなく、ひとりひとりを見て物事を判断するべきだな…
     
  • 俺たちはみんな同じインドネシア人。お互いに支え合い、お互いを尊重し合うことがインドネシアの発展の礎となるはずだ。
     
  • このスレのないようにも一理あると思う。俺の親父も華人というのは倹約が上手だって言ってたし。要するに、成功する前にバカ騒ぎで無駄遣いをするようなことはしない。食事にしても塩魚に白飯、タバコだって見栄を張らずに1本ずつ買ってるしね。
     
  • 中国人というのはものすごくため込むんだね。俺はそういうタイプじゃないかな。大事なのは収入と支出のバランスをとるという事だと思う。
     
  • 人の性質については個々の事例で判断するべきだろう。インドネシアの華人にしても、優しく付き合いやすい人もいれば、その逆も当然いる訳だから。
     
  • 感動した。全く持ってその通りだと思う。モラルを持った人間として、誰が間違いで、誰が正しいのかをきちんと見極めていかなくてはならない。無責任な発言に踊らされないためにもね。
     
  • 知り合ってもいない人間をなぜ憎めるのかが分からない。俺が人を憎むのはその個人に対してであり、決して人種を理由にしたものではない。俺たちはみんなインドネシア人なのだから。
     
  • そもそも俺たちは同じ人間じゃないのかな。
     
  • 誰しもに良い面と悪い面がある。まずは他人の良い面に目を向けようじゃないか。悪い面は反面教師とすればよいだけの話。
     
  • 願わくば全てのインドネシア人がスレ主ように考えられるといいな。インドネシアから汚職が無くなり、この国がさらに豊かになる事だろう。
     
  • 俺たちは多様な人種、言語、文化、自然の豊かさを共有する「インドネシア人」だ。インドネシアがさらに発展するためにも、こうした多様性と寄り添いながら一致団結していこうじゃないか。

【管理人コメント】
超人気スレッドです。3200個を超えるコメントがついていましたが、その大半(おそらくどんなに少なく見積もっても95%以上)は上記の翻訳で示した通り、「スレ主に賛成」「インドネシアの多様性を大事にしよう」「人種差別はやめよう」といった内容で占められていました。少なくとも華人や中国人に対する汚らしい罵倒や誹謗中傷といったコメントは、僕が確認した範囲ではひとつも(!)ありませんでした。

率直に言って、このスレの反応は僕にとっては良い意味で驚きでした。インドネシアでは実際のところ、華人に対する差別や偏見が全くないとは決して言えないからです。

僕自身、インドネシアで華人と間違われて不愉快な思いをしたことが何度かあります。普通に道を歩いていたら、見ず知らずのオッサンから通りすがりに「チナ」と吐き捨てるように言われたり、近所のいきつけの安食堂に行ったら、いきなり「何でチナがいるんだ!」とオッサンに怒鳴られたこともあります。その時は食堂のおばちゃんが「この子は日本人だよ」と言って諌めてくれたので事なきを得ましたが。

一番傑作(?)だったのは、スラバヤからバンドンへ向かう夜行列車に乗った時のことです。隣り合わせた初対面のオッサンが(なぜか)こっちを睨みながら、舌打ちを連発。正直 訳が分からなかったのですが、その後たまたまやって来た車内販売のお姉さんに飲み物を注文していると、おそらく僕のインドネシア語が耳に入ったのでしょう、「なあ、兄さんはどこから来たんだ?」とオッサン。「日本から来ました」と答えると、オッサンは急に態度がコロッと変わって、「そうか、そうか、てっきりチナかと思ったんだ。ゴメンな。日本は大好きだよ!」と実に無邪気に言い放つ訳です。そして、そのまま僕を食堂車両に連行すると、「日本人なら酒は飲むんだろ?」と言いながら、お詫び(?)に自分は飲まないビールをおごってくれました。

…という訳で、僕にも数自体はたいして多くないですが、そんなささやかな思い出がいくつかあります。そのため、今回紹介したスレッドでも多少は同じような反応があるんだろうなと思っていたのですが、結果はすでにお伝えした通りです。ネット掲示板という匿名の空間で、しかも〝このテーマ〟に関するスレッドで非常に前向きな意見が大半を占めていたことが個人的には実に印象的でした。

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