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2009年7月のウイグル騒乱後、中国当局に夫らが連れ去られたと泣き叫ぶウイグル人女性

2013年11月19日付けコンパス紙社説「ウイグル、中国の課題(Uighur Tantangan bagi China)」の翻訳です。ここ数年で頻発するウイグル族の騒乱を念頭に、中国が抱える新疆ウイグル自治区の問題を論じています。

社説:ウイグル、中国の課題
コンパス(2013年11月19日)

先週、中国西部新疆ウイグル自治区で流血を伴う暴動が発生した。これはウイグル族の騒乱が依然として中国にとっての課題であることを示している。

中国政府を驚かせたのは、数十人が突然カシュガル地区近郊の警察署を襲撃した事だ。カシュガルはシルクロード貿易の要衝として知られている。この事件では襲撃犯9人と警察関係者2人の死亡が報告された。

この流血事件がどのようにして行われたのか詳細な情報は入っていない。中国政府は、テロリストの襲撃を受けたため警察官が発砲したと発表しているが、ウイグル族関係者によると、逆に、警察官がデモ隊に向かって狂ったように発砲したという。

どちらの発表が正しいのかは知る由もない。しかし、はっきりしているのは、今回襲撃された警察署は今年4月にも襲撃を受けているという点だ。この7か月前の事件では、放火および警察官15人が死亡し、襲撃犯6人も射殺された。

ここ数年 新疆ウイグル自治区で発生した一連の暴動および破壊行為は、開発の恩恵を享受していないと感じるウイグル族による騒乱という側面も持ち合わせている。中でも2009年に発生した大暴動ではおよそ200人の死者が発生した。この流血事件によって、ウイグル族の騒乱は中国政府の厳しい監視にさらされ、国際社会からも大きな注目を集めた。

中国政府はウイグル族の騒乱を抑えるために治安面だけではなく、福祉面からのアプローチを図っている。中国西部地域では、東部地域と比べ開発が遅れていた新疆ウイグル自治区も含めて、インフラ整備が急速に進められている。

しかし、これらの福祉および治安面からのアプローチはマイノリティー集団であるウイグル族の騒乱を沈静化させるには至っていない。人口が2千万人を超える新疆ウイグル自治区ではウイグル族がおよそ50パーセントを占めるが、現在に至るまで彼らの怒りは収まっていない。これはウイグル族が中国最大の民族である漢族によって、経済、政治、文化、そして宗教的に差別されていると感じているためだ。

彼らの怒りの表明は暴力行為や襲撃を伴う形で今もなお行なわれ、それは首都北京の中心部にまで及んでいる。先月10月28日には、実行犯3人が自らが運転する車を天安門広場前の群衆に衝突させるという自爆攻撃を行なった。この事件で実行犯3人と観光客2人が死亡、数十人が負傷した。

こうした流血事件が広範な懸念を引き起こしているが、それはとりわけウイグルの活動家がテロリストのような自爆攻撃という手法を用いているためだ。ウイグル過激派とテロ組織アルカイダの結びつきという可能性に関しても不安が生じている。ウイグル族の騒乱は中国にとってますます深刻な問題となっている。

Kompas, Selasa, 19 November 2013
Uighur Tantangan bagi China

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