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2013年11月30日付けコンパス紙社説「中国は火遊びをやめよ(China Jangan Bermain Api)」の翻訳です。 中国による東シナ海防空識別圏の設定を念頭に、日中両国の現状(2013年11月当時)について論じています。

社説:中国は火遊びをやめよ
コンパス(2013年11月30日)

中国が東シナ海の防空識別圏を一方的に設定したことで紛争ぼっ発の可能性が浮上した。

中国は防空識別圏(ADIZ)を通過する全ての航空機に飛行計画の届け出などを義務付け、届け出なしにADIZを通過する航空機に対して「防御的措置」を取ると警告した。

今回 中国が設定したADIZは、日本、韓国、台湾が領有権を主張する範囲と重なるため、これら3カ国からの反発を招いた。アメリカとオーストラリアも中国によるADIZ設定に抗議している。

11月25日月曜日、2機のアメリカB-52爆撃機が中国への事前通知なしに意図的にADIZを通過した。中国当局は2機のアメリカ爆撃機の動きは把握していると述べるに留まり、アメリカが行なったADIZの侵犯に対しては反応を示さなかった。アメリカに続いて、日本と韓国の軍用機も中国への事前通告なしにADIZを通過した。

こうした中国当局の弱腰の姿勢に対して、中国の国内メディアはADIZの侵犯に対してより強硬な措置を講じるよう圧力をかけている。ある中国メディアの社説は「中国は反応を示すべき絶好の機会を逸した」と記した。

一方、日本は中国によるADIZ設定は受け入れられないとの態度を明確に示した。「東シナ海上での運行や巡回はこれまで通り行う。変更するつもりはない」と菅義偉官房長官は木曜日に語った。

中国は一方的に東シナ海ADIZを設定することで火遊びをしている。今回のADIZ設定は紛争ぼっ発の可能性が生じさせただけではなく、軍備力増強を求める日本の追い風ともなった。日本は太平洋戦争(1941-1945)の敗戦によって、専守防衛を旨とする軍事力の保有のみが憲法で定めている。日本の軍隊が自衛隊と名付けられているのもそのためだ。

しかし、東シナ海で中国が見せる攻撃的姿勢によって、日本政府内では軍事力増強を求める声が上がっている。ましてや、安倍晋三首相は総選挙で東シナ海で中国が見せる攻撃的姿勢に言及し、それに対処していくと約束している。

日本が強大な軍事力を持つことは誰からも受け入れられないだろう。過去の経験が、日本の軍国主義は非常に危険なものであると私たちに想起させるためだ。私たちは中国が自制し、東シナ海で過剰な行動をとらないよう望みたい。

Kompas, Sabtu, 30 November 2013
Tajuk Rencana: China Jangan Bermain Api

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